2020/06/26 09:40

こんにちは☺️
今日は完全遮光日傘と合わせて使っていただきたい、日焼け止めについての情報をご紹介したいと思います。
当HPをご覧になっている方は、紫外線が肌に及ぼす悪影響については既にご存知のことと思います。当然、日常的に日焼け止めをお使いになっている方が多いと思いますが、肌を守ってくれるはずの日焼け止めそのものが皮膚や人体、さらには環境にまで及ぼす影響が昨今注目されています。
非常に多くの種類の日焼け止めが市場に溢れている中、自分に合った日焼け止めを選ぶ作業はなかなか骨が折れますよね💦。もちろん肌には個人差がありますし、人によって考え方や好みの違いもあるとは思いますが、長年日焼け止めを選ぶのに時間と労力を費やしてきた一個人の視点としてこのコラムが少しでも参考になれば幸いです。
■ 紫外線カットの方法は成分によって異なる
日焼け止めはSPF値やPA値から選ぶ方法がありますが、それ以外に目を向けていただきたいのが紫外線カットの方法です。紫外線を遮るしくみには、大きく分けて二つの方法があります。
まずお使いの日焼け止めパッケージの裏面を見てみましょう。すごく細かい文字でびっしり成分が書いてあると思いますが、頑張って目を凝らして見てみてください😅

こちらは某人気ブランドの日焼け止めパッケージの裏面です。成分は含有量が多い順に記載されています。こちらのブランドでは1番目が水、2番目に書いてあるのが紫外線カットの成分になります。
日焼け止めの大部分を占めるこの紫外線カットの成分には、大きく分けると
①紫外線散乱剤
と
②紫外線吸収剤
があります。

①紫外線散乱剤は紫外線を肌表面で反射・散乱させて紫外線の影響を防ぐ成分。
②紫外線吸収剤は肌の上で浴びた紫外線を吸収して熱エネルギーなどの別のエネルギーに変換することで、紫外線が肌の細胞に浸透するのを防ぐ成分です。冒頭の日焼け止めに入っていた紫外線カット成分は「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」なので、②のタイプの日焼け止めということが言えますね。
日本で売られている日焼け止めの多くは、この②のタイプ。
紫外線をカットする成分の特徴から、①はノンケミカル、②はケミカルと呼ばれることもあります。
②のタイプは①よりもテクスチャーが滑らかで白浮きしたりしない商品が多く、使い勝手の良さというメリットがあります。一方で、肌の上で紫外線を化学反応させて熱などのエネルギーに変えることで紫外線をカットするため、肌の弱い方には刺激が強いという見方もあります。
また、最近では日焼け止めは経皮吸収されていることが米FDAの臨床試験でも明らかになっており、(https://wired.jp/2019/05/08/sunscreen-chemicals-soak-all-the-way-into-your-bloodstream/)、人体への影響が心配な方はノンケミカルタイプを使った方がいいでしょう。また、肌馴染みの良さを重視して成分をナノ化しているものも経皮吸収しやすいので、気になる方は避けることをお勧めします。特に、SPFが高いのに使用感のよい日焼け止めやスプレー・ジェルタイプのものは、ナノ化された成分を使うことで透明性のあるサラッとしたものにしていることが多いようです。ナノについては表示義務はないので、「ノンナノ」を謳っている日焼け止めを選ぶ方がより安心です。
■ ノンケミカルでも避けた方がいい成分
では、①のタイプであれば安心・安全ということなのでしょうか?
実は①でもまだ気になることがあります。
酸化チタンや酸化亜鉛は、紫外線を受けることによって皮膚の上で活性酸素を発生するそうです。活性酸素は肌サビのこと、つまり肌が酸化することで老化を促進してしまいます。
これを防ぐために、粒子をコーティングしている日焼け止めもあります。しかし、このコーティング剤にも、合成界面活性剤や合成ポリマーなどが使われることもあるので注意が必要です。
紫外線対策における先進国と言われるオーストラリアでは、売られている日焼け止めのほとんどが①のタイプだそうです。しかも”Titanium-Oxide Free”、つまり紫外線散乱剤に酸化チタンを使わないものが多いのだとか。その上、エコサートなどの認証が認めている安全な合成成分ですら使わないオーガニック日焼け止めが好まれていて、意識の高さが伺えます。赤ちゃんのときから日焼け止めを使うことを推奨している国はさすがですね。日本にももっとそんな商品が普及して欲しいです。
■ 人体だけでなく環境にも配慮した日焼け止めを使おう
近年では日焼け止めの環境への影響も懸念されています。有名なのはハワイやパラオ、メキシコなどの地域で特定成分を含むケミカルサンスクリーンの使用が禁止が決まったこと。特にナノ粒子は海の生態系を破壊しているそうです。海に入るときは、禁止されているエリア以外でもこうした日焼け止めを使わないよう意識したいですね。
■ 日焼け止め、どう使う?
完全遮光日傘は、紫外線対策において「究極のナチュラルな日焼け止め」と言えるかもしれません。しかし、「完全遮光日傘を使っていれば日焼け止めは使わなくても大丈夫」と思う方が偶にいらっしゃるようです。メーカーさんによっては、傘生地の裏のラミネートの黒色が紫外線を吸収すると謳っているのでそれだけで紫外線を全てカットしてくれるような気がしてしまうのかもしれないですね。ラミネートは確かに紫外線を吸収してくれるのですが、完全遮光であっても空気中に散乱する紫外線や照り返しがあるため、ビューティーサンシールドでは紫外線対策をしっかりしたい!美白をしっかりしたい!という方に日焼け止めの併用をお勧めしています。
日焼け止めについては、個人的には日常的には①のノンナノを、長時間化粧直しできない外出が多い日は②のタイプを使っています。以前は①のタイプは割高なものが多かったのですが、最近は少しずつ商品も増えてリーズナブルになってきていると思います。とは言え、日本ではまだ心から安心して使える日焼け止めは少ないので、ニーズに合わせた使い分けが必要でしょう。コロナが収束して自由に海外旅行に行けるようになったら、いつかオーストラリアやニュージーランドのUV先進国にマーケットリサーチに行ってみたいです。
あなたのお手元の日焼け止めはどちらのタイプだったでしょうか?是非チェックしてみてください。