2020/07/06 14:38

太陽光以外に紫外線が出ているものと言われたら、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
いまご覧になっているパソコンやスマホなどのディスプレイからは、紫外線(ブルーライト)が出ていることが広く認知されるようになりました。肌や眼への影響を考慮したブルーライト対策のコスメやフィルム、メガネやコンタクトレンズなど様々な商品も一般的になってきましたね。また、蛍光灯などの照明から出る紫外線を思い浮かべる方も多くいらっしゃるかと思います。
普段あまり意識していなくても、実は意外と屋内でも紫外線が出ている場所は多いものです。外にいるときは完全遮光日傘やUV化粧品でしっかり紫外線対策をしていても、屋内ではうっかり無防備に長時間紫外線に晒されているなんてこともあるのではないでしょうか。
紫外線に当たることは「暴露」といいます。暴露の程度によってはお肌のシミの原因になることもあるので、身の回りのどんなものから紫外線が出ているかしっかりチェックしておきましょう。
第一回目の今日は、室内の照明から出る紫外線の量についてのご紹介です。
■ 照明の種類による紫外線量の違い
室内で最も身近な紫外線といえば、照明から出る紫外線。照明は大きく分けると、白熱灯と蛍光灯、LEDの3つに分類されます。この中で一番紫外線が多いのはどれでしょうか?何となく蛍光灯の青白い光が一番紫外線が含まれているような気がしませんか?実は、答えは白熱灯。白熱灯は蛍光灯の約4倍の紫外線を発しています。白熱灯の発する光は、お部屋が暖かく優しい雰囲気になる暖色系の色ですが、紫外線が多いというのはちょっと意外ですよね。一方、LEDはほとんど紫外線を含んでおらず、蛍光灯の200分の1程度だそうです(一部の特殊な方式のLEDを除く)。
光源別の紫外線量を太陽光と比べてみると、下記の表のようになります。

快晴のときの太陽光による紫外線量100とすると、白熱電球が0.4、蛍光灯が0.1、LEDが0.002です。
こうして比較してみると、照明の紫外線は太陽光と比べれば遥かに少ない量に思えます。実際、白熱電球の下に10時間いると直射日光に約144秒(約2分弱)当たっていたのと同じくらいの紫外線量になります。蛍光灯の下に10時間の場合は、直射日光の下に約36秒いるのと同等の紫外線量です。1日照明の下にいてもそれほど紫外線に当たっていることにはならないかもしれませんが、365日少しずつ当たっていることを考えると光老化が気になります。一方で、LEDは蛍光灯の50分の1程度の紫外線量です。10時間LEDの下にいても直射日光の下に0.7秒程度いる程度の紫外線量ですから、他の光源と比べると圧倒的に安心できそうですね。
■ 蛍光灯とLED照明の見分け方
自宅の照明は蛍光灯かLEDか分かると思いますが、外出時にオフィスや学校など長時間いる場所の照明がどちらか判別するにはどうしたらいいのでしょうか?それにはいくつか方法があります。
型番の表記を確認
光源が近くにある場合は、製品の表記を確認してみましょう。蛍光灯にはスタータ型、ラピッド型、インバータ型の3種類があり、アルファベットの型番が記載されています。
<FL>がスタータ型、<FLR>がラピッド型、<FH><HF>がインバータ型で、スタータ型とラピッド型は消費電力が大きいのでLEDに換えると節電効果があると言われています。
一方、LEDは型番表記はありません。

照明が点くまでのタイムラグの有無
蛍光灯はスイッチを入れて明るくなるまでにチラついたり、ほんの少しのタイムラグがあります。LEDはスイッチと同時に明るくなります。
表面の材質
表面の材質がポリカーボネートの場合はLEDです(一部カバーがガラスのLEDもあります)。蛍光灯はガラスが使用されています。
■ LED照明の普及率はどのくらい?
そういえば、以前は店舗などに置かれて長時間照明が当たっていると日焼けしたり劣化するという問題がありましたが、最近増えているLEDではそうしたことが少ないと聞きます。これも紫外線がほとんど含まれていないことが理由なのだと思います。LEDは電球自体は他の光源と比べて高いですが、圧倒的に寿命が長く電気代もかかならいというメリットがあり、政府も新成長戦略の中でLEDなどの次世代照明化を推進しているので、2020年には大手メーカーの蛍光灯生産が終了し、出荷は100%次世代照明になるそうです。とは言え、まだ現行で使用されていたり在庫されている照明のLED化率(ストック比率)は50%程度のようなので、今後オフィスや公共の場所など普及が進むと安心できそうですね。
政府は「新しいエネルギー基本計画」においてエネルギー消費の少ないLEDの普及を推進しており、2030年までにストック比率を100%達成できるよう目指していますが、まだ大分先の話になりそうです。室内での紫外線が気になる方は、まずは長時間過ごす自宅の照明がLEDに切り替わっているかどうか是非チェックしてみてください。そしてお出かけの際には、ビューティーサンシールドの完全遮光日傘のご使用と日焼け止めの併用による紫外線ケアもどうぞお忘れなく!
次回のコラムでは、注意したい「紫外線が出る特殊なタイプのLED」についてご紹介する予定です。お楽しみに!